COLUMNコラム

オフィスリフォームを成功に導く手順|目的別の費用相場から業者選びのポイントまで解説

「オフィスの雰囲気を一新したい」「手狭になったからレイアウトを見直したい」そうお考えではありませんか?オフィスリフォームは、企業の成長に繋がる可能性があります。しかし、単に内装を綺麗にするだけでなく、目的に合った計画を立てることが成功の要点です。この記事では、リフォームを成功に導く「目的設定」から具体的な手順、費用、そして意外な落とし穴まで解説します。

この記事で分かること

  • リフォームを成功に導く「5つの目的」の明確化
  • 坪単価や工事内容別の「リアルな費用相場」とコスト削減のコツ
  • 企画から運用開始まで、失敗しないための「具体的な全手順とスケジュール」
  • リフォームのリスクを回避し、事業を加速させる「レンタルオフィス」という選択肢との比較

【目的別】オフィスリフォームで実現できることとは?

オフィスリフォームを成功させる上で重要なことの一つは、「なぜリフォームを行うのか?」という目的を明確にすることです。目的が曖昧なまま進めてしまうと、「デザインはおしゃれだけど、働きにくくなった」「結局、以前と同じような課題が残ってしまった」といった失敗に繋がりかねません。

ここでは、多くの企業が掲げる5つの代表的な目的をご紹介します。あなたの会社が目指す姿と照らし合わせてみましょう。

コミュニケーションの活性化

部署間の壁を取り払うオープンなレイアウトや、偶発的な出会いを生むカフェスペースの設置は、組織の風通しを良くする代表的な手法です。固定席をなくすフリーアドレスも、部署を超えたコミュニケーションを促進する上で非常に効果的です。これにより、新たなアイデアやイノベーションが生まれやすい土壌が育まれます。

生産性・集中力の向上

Web会議が当たり前になった今、周囲の雑音を気にせず話せる個室ブースの需要は非常に高まっています。また、一人で深く思考したい時のための集中スペースや、リラックスしてアイデアを練るためのソファ席など、業務内容に合わせて環境を選べる工夫が生産性を大きく左右します。

企業ブランディングと採用力強化

オフィスは「企業の顔」とも言える重要な要素です。エントランスや会議室に企業理念やブランドカラーを反映させることで、来訪者に自社の魅力を強く印象付けることができます。魅力的で働きやすいオフィスは、採用活動において優秀な人材を引きつける上で有効な要素となります。

従業員満足度(ES)の向上

快適なオフィス環境は、従業員の心身の健康や仕事へのモチベーションに直結します。リフレッシュスペースの充実、人間工学に基づいた椅子やデスクの導入、自然光を取り入れた明るい空間づくりなど、従業員が「この会社で働き続けたい」と思える環境を整えることは、離職率の低下にも繋がります。

新しい働き方(ABW・ハイブリッドワーク)への対応

ABW(Activity Based Working)とは、「仕事内容に合わせて、働く場所や時間を自律的に選ぶ」働き方です。これを実現するためには、例えばコラボレーションエリア、集中エリア、Web会議エリア、リラックスエリアといった、多様な活動に対応できる場をオフィス内に設けることが必要です。ハイブリッドワークを導入している企業にとっては、出社した従業員がオフィスでしかできない体験価値を感じられる空間づくりが不可欠です。

関連記事: ABWについて徹底解説|フリーアドレスとの違いから導入メリット、成功のポイントまで

オフィスリフォームの費用相場と内訳

目的が明確になったら、次に気になるのはやはり費用ではないでしょうか。ここでは、オフィスリフォームにかかる費用の全体像を掴んでいきましょう。※1

坪単価で見る費用相場

オフィスの内装工事費用は、1坪あたり10万円〜30万円が一般的な相場とされています。ただし、これはあくまで目安であり、物件の状態(スケルトンか居抜きか)やデザインの凝り具合、導入する設備のグレードによって大きく変動します。

  • 小規模な改修(壁紙・床の張替えなど): 坪単価 8万円〜15万円
  • 一般的なリフォーム(レイアウト変更含む): 坪単価 10万円〜30万円
  • デザイン性を重視したフルリフォーム: 坪単価 30万円〜

例えば、50坪のオフィスで一般的なリフォームを行う場合、500万円〜1,500万円程度が費用の目安となります。

工事内容別の費用内訳

全体費用は、主に以下の工事費用の積み重ねで決まります。どこにコストをかけるべきか、優先順位を考える際の参考にしてください。

工事区分内容費用目安
仮設工事養生、解体、廃材処理など20〜50万円
内装工事壁、床、天井の仕上げ坪単価 5〜15万円
建具工事ドア、パーテーションの設置1箇所 10〜40万円
電気・照明工事配線、コンセント増設、照明器具設置坪単価 3〜8万円
空調・換気工事エアコン設置、換気設備の導入坪単価 3〜7万円
防災設備工事消防設備の設置・移設坪単価 2〜5万円
オフィス家具デスク、椅子、収納など1人あたり 10〜30万円

費用を抑えるための3つのポイント

予算内で理想のオフィスを実現するためには、いくつかのコツがあります。

  1. 居抜き物件を活用する: 前のテナントの内装や設備を流用できる居抜き物件は、スケルトン物件(何もない状態)から工事を始めるよりも大幅にコストを削減できます。
  2. 既存の家具を再利用する: まだ使えるデスクや椅子は、クリーニングや部分的な修理で再利用することを検討しましょう。
  3. 相見積もりを取る: 複数の業者から見積もりを取り、内容を比較検討することが重要です。ただし、単純な価格の安さだけでなく、提案内容や実績、担当者との相性も総合的に判断することが重要です。

見落としがちな法規制と活用できる補助金

■必ず確認すべき法規制

  • 消防法: オフィスのレイアウト変更で最も注意すべき法律の一つです。間仕切り壁の設置によって、火災報知器やスプリンクラーの増設が必要になったり、避難経路の確保が問題になったりするケースは少なくありません。カーペットやカーテンなども、法律で定められた防炎性能を持つ製品を選ぶ必要があります。※2
  • 建築基準法: ビルの構造や用途に関わる法律です。大規模な間仕切り壁の設置や用途の変更は、事前に役所への「建築確認申請」が必要になる場合があります。これを怠ると是正命令の対象となる可能性があるため、設計・施工業者に確認することが不可欠です。※3
  • 原状回復をめぐるガイドライン: 国土交通省はガイドラインを定めていますが、これは主に住宅用です。オフィスの賃貸借契約では「特約」が優先されることが多く、借主側がより重い原状回復義務を負うのが一般的です。契約書の内容を事前にしっかり確認し、どこまでが自社の負担になるのかを明確にしておくことが重要です。※4

■活用を検討したい補助金・助成金

国や自治体は、働きやすい環境づくりを支援する様々な制度を用意しています。

  • 働き方改革推進支援助成金: 厚生労働省が実施しており、テレワーク環境の整備(サテライトオフィスの設置費用など)や、労働能率の増進に資する設備・機器の導入に対して助成が受けられる可能性があります。※5
  • 各自治体の独自制度: 自治体によっては、オフィス環境の改善や雇用の促進を目的とした独自の補助金・助成金制度を設けている場合があります。(例:「〇〇区 中小企業オフィス環境整備支援事業」など)。本社を置く市区町村のウェブサイトで、活用できる制度がないか確認してみましょう。

これらの法規制の確認や補助金の申請は専門的な知識を要するため、実績豊富で信頼できる業者に相談しながら進めることをお勧めします。

オフィスリフォームの全手順とスケジュール

思いつきでリフォームを進めるのは失敗のもとです。ここでは、企画から運用開始までの標準的な流れと、各フェーズでやるべきことを解説します。

フェーズ1:企画・要件定義(6か月前〜)

プロジェクトの土台を作る最も重要な期間です。

  • 現状の課題洗い出し: アンケートやワークショップで従業員の意見をヒアリングする。
  • 目的・コンセプトの決定: セクション1で考えた目的を、具体的なコンセプトに落とし込む。
  • 予算・スケジュールの策定: 全体の予算と、いつまでに完了させたいかを決める。
  • プロジェクトチームの発足: 各部署からメンバーを選出し、役割分担を明確にする。

フェーズ2:業者選定・設計(3~5か月前)

理想のオフィスを形にしてくれるパートナーを探します。

  • 業者選定: 複数の業者に問い合わせ、提案内容(デザイン、見積もり)を比較検討する。
  • 設計・デザインの確定: 選定した業者と打ち合わせを重ね、詳細なレイアウトやデザインを決定する。
  • 工事契約の締結: 工事内容、金額、工期などを最終確認し、契約を結ぶ。

フェーズ3:工事(1~3か月前)

いよいよ工事が始まります。この期間は、担当者の負担が大きくなる時期です。

  • 近隣への挨拶: 工事の騒音などで迷惑をかける可能性があるため、事前に挨拶回りを行う。
  • 工事の進捗確認: 定期的に現場に足を運び、計画通りに進んでいるかを確認する。
  • インフラ整備: 電話やインターネット回線の手配を進める。

フェーズ4:移転・運用開始(〜1か月前)

新しいオフィスでの業務開始に向けた最終準備です。

  • 移転作業: 什器の搬入や荷物の移動を行う。
  • 従業員への周知: 新しいオフィスの使い方やルールについて説明会を開く。
  • 運用開始: 新オフィスでの業務をスタート。
  • 効果測定: リフォーム後に課題が解決されたか、アンケートなどで効果を測定し、必要に応じて改善を行う。

【目的別】オフィスデザイン事例集

ここでは、セクション1で挙げた目的を、実際のデザインでどのように実現できるのか、具体的なイメージをご紹介します。

事例:コミュニケーション活性化

  • フリーアドレス: 固定席をなくし、カフェのような大きなテーブルやソファ席を配置。自然と人が集まり、会話が生まれる仕掛けです。
  • マグネットスペース: コピー機やドリンクコーナーの近くに小さな打ち合わせスペースを設けることで、偶発的なコミュニケーションを誘発します。

事例:生産性・集中力の向上

  • フォンブース: 1人用の完全個室ブース。Web会議や集中したい作業に最適です。
  • ライブラリー: 私語厳禁の集中スペース。図書館のように静かな環境で、自分の業務に没頭できます。

事例:企業ブランディング

  • エントランスデザイン: 企業のロゴやコーポレートカラーを大胆に取り入れたデザイン。来訪者に強い第一印象を与えます。
  • ヒストリーウォール: 企業の沿革や理念を壁面にデザインし、従業員のエンゲージメント向上や企業文化の浸透を図ります。

リフォームだけが正解ではない?事業フェーズで考えるオフィス戦略の選択肢

多額の費用と時間をかけてリフォームをすることが、全ての企業にとって最善の選択肢とは限りません。企業の成長フェーズや事業計画によっては、より柔軟でコスト効率の高い選択肢が存在します。

オフィス戦略の「見えないコスト」と「事業リスク」

オフィス戦略を検討する上で、見積書に現れる金額だけでなく、目に見えないコストや将来的なリスクも考慮に入れることが重要です。

  • 時間的コスト: 業者との打ち合わせ、工事の立ち会い、移転作業など、担当者には通常業務に加えて膨大なタスクがのしかかります。
  • 機会損失リスク: 数か月にわたるリフォーム期間中、企業は本業に100%集中することが難しくなる可能性があります。
  • 事業変化への対応リスク: ビジネスの状況は常に変化します。人員が計画通りに増減しなかった場合、リフォームで固定化されたレイアウトが事業の足かせになることも考えられます。
  • 原状回復の費用: 退去時には原状回復義務※6があり、多額の費用がかかるケースも少なくありません。特にオフィスの場合、住宅用のガイドラインが適用されにくく、借主の負担が重くなる傾向があります。

選択肢としての「レンタルオフィス」の合理性

これらのリスクやコストを回避し、より賢く、スピーディにオフィス環境をアップグレードする方法として「レンタルオフィス」があります。

  1. 優れたコストパフォーマンス: 内装工事費、オフィス家具、ネット環境の整備費が原則として不要です。
  2. 最短即日でビジネス開始: 契約すれば、デザイン性と機能性を兼ね備えたオフィスがすぐに利用できます。事業のスピードを止めません。
  3. 柔軟な拡張・縮小: 従業員の増減に合わせて部屋のサイズを柔軟に変更可能。事業の変化に俊敏に対応できます。
  4. 充実の共用設備: 高級感のあるラウンジや最新設備の会議室など、自社で用意すれば数百万はかかる設備を追加費用なしで利用できます。
  5. 一等地のブランド住所: 都心の一等地の住所を法人登記や名刺に利用でき、企業の信頼性を高めます。

あなたの会社はどっち?リフォーム vs レンタルオフィス 比較チェック

自社の状況に合わせて、どちらが最適かチェックしてみましょう。

比較項目オフィスリフォームfabbitレンタルオフィス
初期費用高額(数百万〜)低額(敷金程度)
事業開始まで長期(数か月〜)最短即日
柔軟性低い(変更困難)高い(拡張・縮小が容易)
設備自社で全て用意会議室・ラウンジ等完備
手間非常に多い契約のみで完結

自社の「今」と「未来」に合ったオフィス戦略を

オフィスリフォームは、独自の企業文化を空間に反映させたい、長期的な視点で資産を構築したい企業にとって非常に有効な投資です。

一方で、事業の不確実性が高い成長期の企業や、初期投資を抑えて本業にリソースを集中させたい企業にとっては、レンタルオフィスがより合理的で現実的な選択肢となり得ます。

本記事を通じて明確になった「理想のオフィス像」を、どのような手段で実現するのが自社にとって最適か、ぜひ多角的な視点でご検討ください。

fabbitでは、あなたの会社の課題に最適なプランをご提案します。リフォームの見積もりと比較検討するためにも、まずはレンタルオフィスでどれだけのコストと手間が削減できるか、お気軽に内覧予約をご利用ください。

まとめ

オフィスリフォームは、目的を明確にし、正しい手順で進めることが成功の要点です。しかし、多額の投資と時間を要する大きなプロジェクトでもあります。本記事で紹介したレンタルオフィスという選択肢も視野に入れ、ぜひ貴社にとって最適なオフィス戦略を見つけてください。この記事が、あなたの会社の未来をより良くするための一助となれば幸いです。

参照・引用元一覧

  1. 【2024年版】オフィスの内装工事の費用相場と… – Reform-Market – https://reform-market.com/office-interior/contents/expenses-office-interior – 最新のオフィスリフォーム費用相場を把握するために参照。
  2. 消防法関連: 消防法施行令(e-Gov法令検索) – https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=336CO0000000037
    建物の用途(事務所など)によって求められる消防用設備等が定められています。
  3. 建築基準法関連: 建築基準法(e-Gov法令検索) – https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000201
    大規模な修繕や模様替えの際の確認申請について定められています。
  4. 原状回復関連: 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について(国土交通省) – https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.htmlオフィス契約は特約が優先されることが多いですが、基本的な考え方を理解するために有用です。
  5. 助成金関連: 働き方改革推進支援助成金(働き方改革推進支援センター事業) – https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120692.html
    年度によってコースや要件が変更されるため、必ず最新の情報を公式サイトでご確認ください。
  6. 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン – 国土交通省 – https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/honbun2.pdf – オフィス退去時の原状回復に関する公的な指針として参照。