COLUMNコラム

【事例多数】失敗しないフリーアドレスのレイアウト設計|目的別の選び方と導入ポイントを解説

オフィスのコスト削減や生産性向上を目指し、フリーアドレスを検討していませんか?本記事では、目的別のレイアウト事例から失敗しないための具体的なポイントまで解説します。あなたの会社に最適な環境作りのヒントを提供します。

この記事で分かること

  • 自社の目的に合った最適なフリーアドレスレイアウトの選び方 
  • 導入を成功に導くための具体的な5つの実践ポイント
  • よくある失敗例と、それを未然に防ぐための対策
  • 初期投資を抑える「オフィスを作らない」という新しい選択肢

なぜ今フリーアドレスか?目的を明確にする重要性

近年、多くの企業で導入されている「フリーアドレス」※1は、固定席をなくし、カフェのように好きな席で働けるワークスタイルを指します。重要なことは、フリーアドレスはあくまで「働き方改革」や「オフィスの有効活用」といった目的を達成するための「手段」であるという点です。したがって、導入を検討する上で最も重要な最初のステップは、「自社がフリーアドレスによって何を達成したいのか」という目的を整理することに他なりません。その目的が明確になってこそ、それに即した最適なオフィスレイアウトが見えてくるのです。

主な導入目的の例

  • コスト削減: 出社率に合わせて座席数を最適化し、余ったスペースを有効活用することで、賃料や光熱費を削減する。
  • コミュニケーション活性化: 部署や役職の垣根を越えた交流を促し、新たなアイデアやイノベーションが生まれやすい環境を作る。
  • 生産性向上: その日の業務内容に合わせて最適な場所(集中したい時、共同作業をしたい時など)を選べるようにし、個々のパフォーマンスを最大化する。
  • ペーパーレス化の推進: 固定席をなくすことで、個人の書類保管を減らし、組織全体のデジタル化を促進する。

まずは、あなたの会社がどの目的を最も重視するのか、じっくり考えてみましょう。それが、最適なレイアウトを設計するための羅針盤となります。

【目的別】フリーアドレスの代表的なレイアウトパターン7選

導入目的が明確になったら、次はいよいよ具体的なレイアウトの検討です。ここでは、目的別に代表的な7つのレイアウトパターンをご紹介します。それぞれの特徴を理解し、自社の目的に合った組み合わせを考えてみましょう。

個室空間を用意:集中ブース型

予定:画像挿入箇所

『急な声がけで思考が中断されてしまう』『周囲を気にせず、自分の作業に没頭できる時間がほしい』といった社員の声を聞いたことはありませんか?集中ブース型は、三方をパネルで囲んだ半個室のような空間で、Web会議や集中を要する作業に最適なレイアウトです。

メリット:

  • プライバシーが確保され、作業に没頭できる。
  • Web会議や電話の際に、周囲への音漏れを気にしなくて済む。

デメリット:

  • 他の社員とのコミュニケーションが取りにくい。
  • 設置には1ブースあたり約1.5㎡のスペースと、製品グレードに応じて1台10万円〜50万円程度のコストが必要です。

ワンポイント: 集中ブースだけを設置するのではなく、後述するコラボレーションエリアなどと組み合わせることで、オフィスの機能性が格段に向上します。全座席数の10%〜20%を目安に導入を検討するのが一般的です。

個々人の生産性を高めたい:ライブラリ型

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集中ブースを多数設置するのは難しいけれど、静かな環境は確保したい。そんな場合に有効なのが、図書館の閲覧室のようなライブラリ型のレイアウトです。私語や電話を禁止するルールを設けることで、コストを抑えながら高い集中環境を実現できます。エンジニアやライターなど、一人で黙々と作業する時間が多い職種で特に効果を発揮します。

メリット:

  • 静かな環境で、多くの社員が同時に集中作業を行える。
  • 比較的少ないスペースで効率的に座席を配置できる。

デメリット:

  • 厳格なルール運用が必要不可欠。
  • コミュニケーションが完全に遮断されてしまう。

少人数での打ち合わせに対応:ファミレス型

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2〜4人程度の少人数での打ち合わせやペアワークは、日々の業務で頻繁に発生します。その都度会議室を予約するのは非効率ですよね。ファミレスのボックス席のようなレイアウトは、こうしたクイックなミーティングに最適です。

メリット:

  • 予約なしで気軽に打ち合わせを始められる。
  • 周囲の視線をある程度遮りつつ、適度な開放感がある。

デメリット:

  • 長時間の利用や機密性の高い会議には不向き。
  • 人気のエリアとなり、席の取り合いが発生する可能性がある。


円滑なコミュニケーションを実現:コラボレーションエリア型

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プロジェクトメンバーが集まって、活発に議論を交わすなら、コラボレーションエリアが非常に有効です。大型モニターやホワイトボードを設置したテーブル席、リラックスした雰囲気のソファ席など、多様な形式があります。

メリット:

  • 部署の垣根を越えた出会いや会話が生まれやすい。
  • チームの一体感を醸成し、アイデア創出を促進する。

デメリット:

  • 活気がある反面、静かに作業したい人にとっては騒がしく感じることがある。
  • 利用者がいない期間はデッドスペースになりがち。


社員エンゲージメント向上や創造性を刺激:カフェ・ソファ型

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コーヒーを片手に、リラックスした雰囲気で雑談する。そんなカフェのような空間は、予定調和ではない、偶発的なコミュニケーションの宝庫です。仕事の合間のリフレッシュはもちろん、他部署のメンバーとの思わぬ会話から新しい企画のヒントが生まれることも少なくありません。

メリット:

  • 役職や部署に関係なく、フラットなコミュニケーションが促進される。
  • 社員のエンゲージメントや満足度の向上に繋がる。

デメリット:

  • 仕事と休憩のメリハリをつけにくくなる可能性がある。
  • 長時間の作業には不向きな場合が多い。

社内の多様な働き方に対応したい:ハイブリッド型

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ここまで紹介してきた様々なレイアウトを、自社の目的やオフィスの広さに合わせて組み合わせるのがハイブリッド型です。多くの企業では、このハイブリッド型が採用されています。例えば、「集中ブース(2割)+コラボレーションエリア(4割)+カフェスペース(2割)+通常デスク(2割)」のように、ゾーニングを明確にすることが成功の鍵です。

メリット:

  • 多様な業務内容や働き方のニーズに柔軟に対応できる。
  • 社員が能動的に働く場所を選ぶ文化が醸成される。

デメリット:

  • 設計が複雑になり、全体のバランスを取るのが難しい。
  • 各エリアの利用率に偏りが出ないよう、継続的な分析と改善が必要。

社外スペースも含めてあらゆるニーズに対応:ABW(Activity Based Working)型

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「Activity Based Working(ABW)」※2とは、「その時の活動内容に合わせて、最も効率の良い場所を選ぶ」という働き方の考え方です。これを実現するのがABW型のレイアウト。オフィス内に集中ブース、会議室、コラボレーションエリア、リラックススペースなどを複数設け、社員が自律的に働く場所を選択します。フリーアドレスの進化形とも言えるでしょう。

メリット:

  • 社員一人ひとりの生産性と満足度を最大化できる。
  • 自律的な働き方を促し、主体性のある人材を育成する。

デメリット:

  • 社外を含めた多様なスペースを用意する必要があるため、設計の難易度とコストが高い。
  • 社員の勤怠管理や評価が難しくなる可能性がある。

関連:ABWについて徹底解説|フリーアドレスとの違いから導入メリット、成功のポイントまで


【新しい選択肢】fabbitで作る、柔軟なフリーアドレス環境

ここまで見てきた多様なワークスペースを自社で一から構築するのは、大きな投資です。そこで有効な選択肢となるのが、fabbitのようなサービスオフィスやコワーキングスペースの活用です。

「自社オフィス構築」と「fabbit活用」の比較

具体的に、自社でフリーアドレス環境を構築する場合と、fabbitのような既存のサービスを活用する場合では、どのような違いがあるのでしょうか。以下の表で比較してみましょう。

比較項目自社でオフィス構築fabbitを活用
初期費用数百万〜数千万円(内装工事、家具購入、保証金等)数万数十万円
導入期間3ヶ月〜1年以上最短即日〜1週間
柔軟性低い(レイアウト変更や移転が困難)高い(人数増減に合わせてプランや部屋を変更可能)
インフラ管理自社で手配・管理(Wi-Fi、電源、複合機など)不要(fabbitが完備・管理)
多様な設備自社で用意した設備のみ会議室、ラウンジ、集中ブースなど共用部も利用可能

fabbitが提供するフリーアドレス環境のメリット

上記のように、fabbitのような施設には、フリーアドレスの導入と運用に役立つ環境が整っています。

多様なワークスペース: 集中したい時の一人用ブースから、チームで使える会議室、リラックスできるラウンジまで、ABW(Activity Based Working)をすぐに実践できる環境があります。

初期投資不要: オフィス家具や高速Wi-Fi、複合機といったインフラがすべて完備されているため、大規模な内装工事は必要ありません。

柔軟な契約形態: 人数の増減に合わせて契約プランを柔軟に変更可能。事業の成長フェーズに合わせて、無駄なくオフィスを利用できます。

自社でゼロからフリーアドレス環境を構築するのも一つの方法ですが、まずはfabbitのような既存のサービスを活用してスモールスタートし、自社に合った働き方を見つけていくことも有効な選択肢の一つです。

【実践ロードマップ】フリーアドレス導入までの標準5ステップ

フリーアドレスの導入を検討し始めてから、実際に運用を開始するまでには、どれくらいの期間がかかるのでしょうか。ここでは、従業員50名規模のオフィスを想定した、標準的な導入の流れをご紹介します。
※なお、企業規模、業種、現在のオフィス状況によって、期間は大きく変動する可能性があります。

Step 1: 目的・方針の明確化(〜1ヶ月目)

 なぜフリーアドレスを導入するのか、経営層と現場の意見をすり合わせ、目的(コスト削減、コミュニケーション活性化など)を定義します。現状の課題を洗い出すためのアンケートなどを実施するのも有効です。

Step 2: レイアウト設計・業者選定(〜2ヶ月目)

 目的に基づき、ゾーニングやレイアウトの具体的なプランを作成します。この段階で、オフィスデザイン会社や内装工事業者を選定し、詳細な設計と見積もりを進めます。

Step 3: 工事・インフラ整備(〜4ヶ月目)

 決定した設計に基づき、内装工事、ネットワーク・電源工事、オフィス家具の搬入・設置を行います。工事期間中は、一時的な移転や在宅勤務の調整が必要になる場合もあります。

Step 4: ルール策定・周知(〜5ヶ月目)

 座席の利用方法、荷物の管理(クリアデスク)、Web会議の場所など、具体的な運用ルールを策定します。導入後の混乱を避けるため、全社員への説明会を複数回実施し、理解を深めてもらうことが重要です。

Step 5: 導入開始・改善(6ヶ月目〜) 

いよいよフリーアドレスでの運用を開始します。ただし、導入して終わりではありません。定期的に利用者アンケートや座席の利用率データを分析し、「集中ブースが足りない」「特定のエリアが使われない」といった課題を洗い出し、継続的に改善していくことが成功の鍵です。

フリーアドレス導入を成功に導く5つのポイント

しかし、理想のレイアウトを決めるだけでは成功には至りません。ここでは導入をスムーズに進め、効果を最大化するための実務的な5つのポイントを解説します。

明確なゾーニング

「どこで話して良くて、どこで静かにすべきか分からない」これはフリーアドレスでよくある不満の一つです。これを防ぐために、レイアウト設計の段階で「集中ゾーン」「コミュニケーションゾーン」「リラックスゾーン」といったゾーニングを明確に分け、誰にでも分かるように表示することが重要です。

収納計画

固定席がなくなると、個人の荷物や書類の置き場所が問題になります。全社員分の個人ロッカーを設置したり、これを機にペーパーレス化を強力に推進したりするなど、事前の収納計画が不可欠です。多くの現場では、書類を電子化する良いきっかけになったという声が聞かれます。

ルール策定

「席は毎日変えるべき?」「荷物はどうする?」といった細かなルールを事前に決めておくことで、導入後の混乱を防ぎます。例えば、「1日以上同じ席に座らない」「退社時は机の上を何もない状態にする(クリアデスク)」といったルールが一般的です。ただし、ルールで縛りすぎず、社員の意見を取り入れながら柔軟に見直していく姿勢も大切です。

ITインフラ整備

フリーアドレスでは、どこに座っても快適に仕事ができる環境が必須です。

  • 強力な無線LAN: オフィス全体をカバーする安定したWi-Fi環境。
  • 十分な電源: 各席やソファ席など、あらゆる場所に電源を確保。
  • 座席予約システム: 誰がどこにいるか把握したり、特定の席を予約したりできるツール。
  • コミュニケーションツール: チャットやWeb会議システムなど、離れていても円滑に連携できるツール。

効果測定と改善

フリーアドレスは「導入して終わり」ではありません。導入後にアンケートや利用率のデータ分析を行い、「集中ブースが足りない」「特定のエリアが使われていない」といった課題を洗い出し、継続的に改善していくことが成功の鍵となります。

フリーアドレス導入でよくある失敗例から学ぶ、レイアウト設計の注意点

最後に、フリーアドレス導入で陥りがちな失敗例とその対策を学び、あなたの計画に活かしましょう。

結局、席が固定化してしまう

原因: 人は変化を嫌う傾向があり、仲の良いメンバーや同じ部署の近くに座りがちです。

対策: 「グループアドレス」といってチームで大まかなエリアだけを決めたり、座席予約システムでくじ引き機能を使ったりするなど、自然なシャッフルを促す仕組みを取り入れましょう。

Web会議の音がうるさい

原因: オープンなスペースで多くの人が同時にWeb会議を行うと、互いの声が妨げになります。

対策: 集中ブースや、電話・Web会議専用の個室「フォンブース」を十分に設置することが重要な対策です。これは多くの企業が見落としがちなポイントです。

荷物置き場がなく、机の上が散らかる

原因: 個人の荷物や共有の備品を置く場所が想定されていない。

対策: セクション4-2で述べた通り、個人ロッカーや共有キャビネットの計画が必須です。クリアデスクのルールを徹底することも有効です。

新人や若手が孤立してしまう

原因: 周囲に気軽に質問できる先輩がおらず、誰に話しかけて良いか分からない。

対策: メンター制度を導入し、定期的な1on1ミーティングを設定したり、質問しやすいようにチャットツールを活用したりする文化の醸成が助けになります。

まとめ

フリーアドレスの成功は、目的の明確化と自社に合ったレイアウト、そして柔軟な運用にかかっています。しかし実際、オフィスのレイアウト変更、什器の選定、ルール作り… やるべきことは山積みです。fabbitなら、すぐにフリーアドレス環境を実現できます。初期投資を抑えながら、最も手軽に新しい働き方を始めてみませんか?

参照・引用元一覧

  1. 定着したフリーアドレス、「縄張り」増える可能性も 今考え直す在宅勤務の意義 – https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/03222/053100004/
  2. ABWとは?フリーアドレスとの違いやオフィスに導入するメリット – 内田洋行 – https://office.uchida.co.jp/relocation/knowledge/column_004.html – ABWの定義とメリット・デメリットについて参照。