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OAフロアとは?種類・費用・選び方を徹底解説|配線問題を解決し快適なオフィス

オフィスのデスク周りや足元で、複雑に絡み合った配線に頭を悩ませた経験はありませんか?複雑に絡み合った配線は、見た目が悪いだけでなく、つまずく危険や断線のリスクも伴います。本記事では、そんな配線問題を解決する「OAフロア」について、その基本から選び方、費用までを分かりやすく解説します。最適なOAフロアを選び、安全で快適なオフィス環境を実現しましょう。

この記事で分かること

  • OAフロアの基本的な仕組みと導入する4つのメリット 
  • 「置き敷き」「支柱」2大タイプの特徴と自社に合う選び方
  • 種類別の平米単価から総額費用までの詳細なコスト感
  • 失敗しないための耐荷重性能や主要メーカーの比較ポイント

OAフロアとは?基本的な仕組みと導入のメリット

「そもそもOAフロアって何?」と感じている方も多いかもしれません。OAフロアとは、「Office Automation(オフィス・オートメーション)」の略で、電話線やLANケーブルなどの配線を床下に収納するために作られた二重構造の床のことです。フリーアクセスフロアとも呼ばれます。

床を二重構造にし、その間に生まれた空間に配線を通すことで、床の上にケーブルが見えない、すっきりとした状態を実現します。まるで、家の壁の裏に電気の配線が隠れているのと同じようなイメージです。これにより、オフィス環境の改善につながります。

OAフロアの仕組み

OAフロアは、主に以下の2つの部材で構成されています。

  • フロアパネル: 床の上に敷き詰めるパネル。このパネルの上を人が歩いたり、什器を置いたりします。
  • 支柱(または脚): 既存の床とフロアパネルの間に空間を作るための支え。

このシンプルな構造により、床下に配線のための空間を確保しているのです。

OAフロア導入の4つのメリット

デスク周りの複雑な配線は、見た目だけでなく安全性や業務効率の低下にも繋がります。OAフロアは、こうしたオフィスが抱える課題を解決し、快適な環境を実現する設備です。具体的にどのようなメリットがあるのか、4つのポイントをご紹介します。

  1. 安全性の向上: 床にケーブルが露出しないため、足を引っかけて転倒するリスクを低減します。また、ケーブルが椅子のキャスターなどで傷つき、断線や漏電につながる事故も防げます。
  2. 美観の向上: むき出しのケーブルやモールがなくなることで、オフィス全体がすっきりと洗練された印象になります。来客時のイメージアップにもつながるでしょう。
  3. レイアウト変更の自由度向上: オフィスのレイアウト変更や人員の増減に伴う配線の変更が容易になります。パネルを外して床下の配線を動かすだけなので、大掛かりな工事は不要です。
  4. メンテナンス性の向上: 断線などのトラブルが発生した際も、問題のある箇所のパネルを外すだけで、容易に配線の点検や交換が可能です。

【種類別】OAフロアの特徴と選び方

OAフロアには、大きく分けて「置き敷きタイプ」と「支柱タイプ」の2種類があります。それぞれの特徴を理解し、自社のオフィスに合ったものを選ぶことが重要です。

置き敷きタイプ

既存の床の上に、配線用の溝が設けられたパネルを直接敷き詰めていくタイプです。支柱がないため、手軽に設置できるのが特徴です。

  • メリット
    • 施工が簡単で、工期が短い。
    • 支柱タイプに比べて費用が安い。
    • 床の高さがあまり上がらないため、天井が低いオフィスでも圧迫感が出にくい。
  • デメリット
    • 床下の空間が狭いため、収納できる配線の量に限りがある。
    • 高さ調整ができないため、元の床の凹凸を拾いやすい。
    • 耐荷重は支柱タイプに劣る傾向がある。
  • こんなオフィスにおすすめ:
    • 配線量が比較的少ない小規模オフィス
    • 賃貸物件などで、原状回復のしやすさを重視する場合
    • 導入費用を抑えたい場合

支柱タイプ

支柱を立てて高さを調整し、その上にパネルを設置するタイプです。床下の空間を広く確保できるため、多くの配線を収納できます。

  • メリット
    • 床下の空間が広く、大量の配線をすっきりと収納できる。
    • 支柱で高さ調整ができるため、床の凹凸に対応しやすい。
    • 耐荷重性能が高い製品が多く、重量のある什器やサーバーラックの設置にも対応可能。
  • デメリット
    • 施工に手間がかかり、工期が長くなる傾向がある。
    • 置き敷きタイプに比べて費用が高い。
    • 床が高くなるため、天井高によっては圧迫感が出たり、出入り口にスロープが必要になったりする場合がある。
  • こんなオフィスにおすすめ
    • PCやサーバーが多く、配線量が多いオフィス
    • 将来的にレイアウト変更や配線追加の可能性があるオフィス
    • 重量のあるサーバーラックなどを設置する情報システム室

材質による違いもチェック

パネルの材質によっても、性能や価格が異なります。主な材質は以下の通りです。

材質特徴
樹脂製(プラスチック製)軽量で施工しやすく、比較的安価。ただし、耐荷重は金属製に劣る。小規模オフィスや配線量の少ない場所向き。
スチール製(鋼板製)耐久性、耐荷重性に優れる。重量があるため安定感があるが、価格は高め。大規模オフィスや重量物を置く場所向き。
コンクリート製非常に高い耐荷重性と、優れた歩行感(きしみやたわみが少ない)が特徴。サーバー室など、特に高い強度が求められる場所で使用されることが多い。

OAフロア導入にかかる費用相場

OAフロアの導入を検討する上で、最も気になるのが費用ではないでしょうか。費用は「材料費」と「工事費」で構成され、選択するタイプや材質、オフィスの広さによって大きく変動します。※1※2

費用の目安(平米単価)

あくまで一般的な目安ですが、タイプ別の費用相場は以下の通りです。

  • 置き敷きタイプ: 3,000円~5,000円/㎡
  • 支柱タイプ: 6,000円~8,000円/㎡

これはパネル本体の価格であり、実際の工事ではこれに加えて工事費や仕上げ材(タイルカーペットなど)の費用、諸経費がかかります。

総額費用のシミュレーション

例えば、50㎡(約15坪)のオフィスに導入する場合の総額費用の目安は以下のようになります。

  • 置き敷きタイプの場合:
    • 材料費: 50㎡ × 4,000円 = 200,000円
    • 工事費・諸経費: 100,000円~
    • 合計: 300,000円~
  • 支柱タイプの場合:
    • 材料費: 50㎡ × 7,000円 = 350,000円
    • 工事費・諸経費: 150,000円~
    • 合計: 500,000円~

注意: 上記はあくまで概算です。部屋の形状、既存の床の状態、搬入経路などによって費用は変動するため、必ず専門業者から見積もりを取るようにしましょう。

コストを抑えるためのポイント

  • 必要十分な性能を見極める: 過剰な耐荷重性能を持つ製品は高価になります。オフィスの用途に合ったスペックを選びましょう。
  • 複数の業者から相見積もりを取る: 同じ内容でも業者によって費用は異なります。2~3社から見積もりを取り、内容を比較検討することが重要です。
  • 居抜き物件を活用する: すでにOAフロアが設置されている居抜きオフィスを選ぶのも、初期費用を抑える有効な方法です。

失敗しないためのOAフロアメーカー・製品の選び方

ここでは、製品選定で失敗しないためのポイントを解説します。

耐荷重性能を確認する(JAFA規格)

OAフロアの安全性を測る上で重要な指標の一つが『耐荷重』です。特に注目すべきは、フリーアクセスフロア工業会(JAFA)※3が定める規格です。この規格では、製品がどのくらいの重さに耐えられるかを「3000N」や「5000N」といった数値で示しています。

  • 3000N: 一般的な事務室で推奨される基準。コピー機や書庫などを分散して設置する場合に対応できます。
  • 5000N: サーバーラックなど、特に重量のある機器を設置する電算室やサーバールームで必要とされる基準。

オフィスのどこに、どのような什器を置くかを事前に計画し、必要な耐荷重性能を持つ製品を選びましょう。

主要メーカーとその特徴

国内には多くのOAフロアメーカーが存在します。ここでは代表的なメーカーをいくつかご紹介します。

  • フクビ化学工業: 樹脂製OAフロアのパイオニア。軽量で施工性に優れた製品を多くラインナップしています。
  • コクヨ: オフィス家具メーカーならではの視点で、オフィス全体の使いやすさを考慮した製品を開発しています。
  • イトーキ: こちらもオフィス家具大手。環境配慮型製品など、サステナビリティを意識した製品も展開しています。
  • センクシア (旧 日立機材): 高い強度を持つスチール製OAフロアに定評があり、データセンターなどでの採用実績も豊富です。
  • ナカ工業: アルミ製やスチール製など、幅広い材質の製品を扱っており、様々なニーズに対応可能です。

製品選定時のチェックリスト

最終的に製品を選ぶ際には、以下のリストを参考に比較検討してみてください。

  •  耐荷重はオフィスの用途に合っているか? (JAFA規格)
  •  床下の有効高さは、必要な配線量を確保できるか?
  •  パネルの材質は、置きたい什器の重量や歩行感の好みに合っているか?
  •  仕上げ材(タイルカーペット等)との組み合わせは考慮されているか?
  •  メーカーの施工実績や保証内容は十分か?

また、施工や業者選定の手間をかけずにオフィス環境を整えたい場合には、OAフロアが整備済みのレンタルオフィスやコワーキングスペースを利用することも有効な選択肢です。

まとめ

OAフロアは、オフィスの配線問題を解決し、安全性と快適性を向上させるための重要な設備投資です。種類や材質ごとの特徴を理解し、自社の用途と予算に合った製品を選ぶことが成功の鍵となります。オフィス環境全体を見直す良い機会と捉え、最適なワークプレイスの実現を目指しましょう。

参照・引用元一覧

  1. OAフロアの施工単価は?施工期間や最適なタイプの選び方 – オフィスコム株式会社: https://www.officecom.co.jp/oc-mg/column-reading054.html – 費用相場や施工期間に関する情報を参考にしました。
  2. 【2025年版】OAフロアの工事単価の目安とメーカー別選び方 – 仙台オフィスづくり.com: https://miyagisendai-office.com/column/250812-2/ – 具体的な費用目安やコストに関する情報を参考にしました。
  3. JAFA フリーアクセスフロア工業会: https://www.free-access-floor.jp/ – OAフロアの耐荷重性能に関する公的な規格について参考にしました。