社内コミュニケーション活性化の取り組み15選!失敗しにくい施策の選び方

「最近、部署間の連携がスムーズにいかない」「テレワークでチームの一体感が薄れた気がする」。あなたも今、そんな悩みを抱えていませんか?実は、多くの企業が同じ課題に直面しています。この記事では、そんな悩みを解決し、活気ある組織を取り戻すための具体的な取り組みを、失敗しないための秘訣とあわせてご紹介します。
この記事で分かること
- 生産性や人材定着に繋がるコミュニケーションの重要性
- 自社の課題に合った施策を見つけるための3ステップ
- すぐに検討できる具体的な活性化策15選(目的別)
- 施策が形骸化する「失敗の落とし穴」と成功の秘訣
- コワーキングスペース等を活用した新しい働き方のヒント
Contents
なぜ今、社内コミュニケーションが重要なのか?経営と現場の視点

社内コミュニケーションは、単なる「仲の良さ」の問題ではありません。企業の成長を左右する重要な経営基盤です。HR総研の調査では、8割以上の企業が社内コミュニケーションに何らかの課題を感じていると回答しています。※1では、コミュニケーションが活性化すると、具体的にどのような良いことがあるのでしょうか?経営と現場、それぞれの視点から見ていきましょう。
【経営視点】生産性、イノベーション、人材定着の鍵
経営層や人事担当者のあなたにとって、コミュニケーションは以下の3つの観点から極めて重要です。
- 生産性の向上: 部署間での情報共有がスムーズになることで、手戻りや確認作業といった無駄な時間が削減されるため、組織全体の生産性向上が期待できます。
- イノベーションの創出: 新しいアイデアやビジネスの種は、多くの場合、予期せぬ会話や異なる知識の化学反応から生まれます。部門を超えた活発なコミュニケーションは、イノベーションを生み出す土壌となります。
- エンゲージメントと人材定着: 従業員は、自分の意見が尊重され、会社の方向性を理解できる環境でこそ、「この会社で働き続けたい」と感じます。風通しの良い組織は従業員のエンゲージメントを高め、優秀な人材の離職を防ぐ上で有効な手段となります。
【現場視点】心理的安全性とチームワークの土台
一方、マネージャーやチームリーダーのあなたにとっては、日々の業務を円滑に進める上でコミュニケーションが不可欠です。
- 心理的安全性の醸成: Google社の研究で一躍注目された「心理的安全性」。※2これは、「チームの中で対人関係のリスクを安心して取れる」という信念のことです。心理的安全性が高いチームでは、メンバーが「こんなことを言ったら馬鹿にされるかも」と萎縮することなく、自由に意見や質問ができます。この安心感が、チームのパフォーマンス向上に繋がります。
- 迅速な問題解決: 現場で発生する日々のトラブルや課題。コミュニケーションが活発なチームでは、問題が小さいうちに共有され、メンバーの知恵を結集して迅速に解決にあたることができます。報告をためらう空気がなく、早期発見・早期対応が可能になるのです。
- チームワークの向上と孤立感の解消: 特にテレワーク環境下では、意識的にコミュニケーションを取らないと、メンバーは孤立しがちです。定期的な雑談や声かけは、お互いの状況を理解し、チームとしての一体感を育む上で欠かせません。
失敗しない!自社に合った施策を見つける3つのステップ

「コミュニケーションが大事なのはわかった。では、具体的に何をすればいいの?」そう考えたあなたに、一つだけ注意点があります。それは、「流行っているから」という理由だけで施策に飛びつかないことです。ここでは、自社に本当にフィットする施策を見つけるための、シンプルな3つのステップをご紹介します。
ステップ1:現状の課題を「可視化」する
まずは、あなたの組織が抱えるコミュニケーション課題を具体的に洗い出してみましょう。以下のチェックリストを使って、どこに問題がありそうか考えてみてください。
- 【情報共有】
- 経営層からのメッセージが現場に正しく伝わっていない
- 部署内で情報格差があり、知っている人と知らない人がいる
- 他部署が何をやっているのか、よくわからない
- 【人間関係・チームワーク】
- 新入社員や中途社員が組織に馴染めていない
- テレワークで雑談が減り、チームの一体感が薄れた
- 会議で発言する人がいつも同じで、若手から意見が出ない
- 【組織風土】
- 部署間の縦割りが強く、協力体制が築けていない
- 成功事例は共有されるが、失敗談は共有されにくい
- 感謝や称賛を伝え合う文化がない
これらのうち、特に当てはまる項目はどれでしたか?課題を具体的にすることで、次のステップがより明確になります。
ステップ2:施策の「目的」を明確にする
次に、ステップ1で見えた課題をもとに、「何のために施策を行うのか」という目的をはっきりさせましょう。例えば、以下のように設定します。
- 課題: テレワークでチームの一体感が薄れた
- 目的: チームメンバー同士の相互理解を深め、信頼関係を再構築する
- 課題: 他部署が何をやっているのか、よくわからない
- 目的: 部門間の業務内容や担当者への理解を促進し、連携のきっかけを作る
目的が明確であれば、数ある施策の中から「自分たちに必要なのはこれだ」という判断がしやすくなります。
ステップ3:課題・目的と施策を「マッチング」する
目的が決まったら、いよいよ具体的な施策を選びます。大切なのは、目的と施策の方向性を一致させることです。
- 目的が「信頼関係の構築」なら…
- 1on1ミーティング、社内イベント、部活動支援など、人となりがわかる施策が有効
- 目的が「部門間連携の強化」なら…
- 社内報、部署横断プロジェクト、フリーアドレスなどが有効
- 目的が「情報共有の円滑化」なら…
- ビジネスチャットツールのルール整備、定例会議のアジェンダ改善などが有効
この後のセクションで紹介する15の施策を参考に、あなたの組織の課題と目的に最もマッチするものを見つけてみてください。
【目的別】社内コミュニケーション活性化の取り組み15選

ここでは、具体的な施策を「①情報共有の円滑化」「②信頼関係の構築(チームビルディング)」「③部門間連携の強化」という3つの目的別に分類してご紹介します。オンラインで手軽に始められるものから、オフラインでじっくり関係を育むものまで、幅広くご紹介します。
目的①:情報共有をスムーズにする施策
まずは、組織の血流ともいえる情報共有を円滑にするための施策です。
- ビジネスチャットの活用とルール整備: 今や多くの企業で導入されていますが、「部署ごとのチャンネルを作る」「雑談専用チャンネルを作る」「メンション機能を活用する」といったルールを整備するだけで、情報の流れは格段に良くなります。
- Web社内報・ブログ: 経営層のメッセージや各部署の取り組み、社員紹介などを定期的に発信します。テキストだけでなく動画や写真も活用すると、より多くの社員に読んでもらいやすくなります。
- 定例会議のアップデート: アジェンダの事前共有を徹底し、会議の目的を「情報共有」ではなく「意思決定」にシフトさせましょう。情報共有はチャットツールなどで行い、会議では議論に集中する時間を確保します。
- バーチャルオフィスツール: オンライン上に仮想のオフィス空間を作り、アバターで出社するツールです。近くにいる人に気軽に声をかけられるため、テレワーク中の「ちょっとした相談」がしやすくなります。
- ナレッジ共有ツールの導入: 誰がどんな専門知識を持っているか、過去のプロジェクトでどんな知見が得られたかを一元管理するツールです。属人化を防ぎ、組織全体の知識レベルを底上げします。
目的②:信頼関係を構築する(チームビルディング)施策
次に、チームとしての一体感を高め、心理的安全性の土台となる信頼関係を築くための施策です。
- 1on1ミーティング: 上司と部下が週に1回〜月に1回程度、定期的に行う個人面談です。業務の進捗確認だけでなく、キャリアの悩みやプライベートな雑談など、テーマを限定せずに話すことが信頼関係の構築に繋がります。
- メンター・メンティー制度: 新入社員や若手社員(メンティー)に対して、他部署の先輩社員(メンター)が公私にわたる相談役となる制度です。縦の関係だけでなく、斜めの関係を作ることで、若手社員の定着と成長を促します。
- サンクスカード・ピアボーナス: 従業員同士が日々の業務の中で感じた感謝を、カードやポイント(ピアボーナス)で送り合う制度です。称賛文化を醸成し、ポジティブなコミュニケーションを増やします。
- オンラインランチ・飲み会: テレワーク中の雑談機会を創出するために、会社が費用を一部負担してオンラインでの食事会を推奨します。ランダムなメンバーでグループを作るなど、普段話さない人との交流を促す工夫も有効です。
- 社内イベント(オフライン): 普段の業務から離れ、スポーツ大会やファミリーデー、BBQなどを実施します。普段と違う環境は、新たなアイデアや率直な意見交換を促進します。リフレッシュも兼ねた研修やキックオフには、外部の貸会議室やイベントスペースの活用がおすすめです。
目的③:部門間の連携を強化する施策
最後に、組織の壁を取り払い、部署を超えたコラボレーションを生み出すための施策です。
- フリーアドレス・ABW: 固定席を設けず、社員がその日の業務内容や気分に合わせて自由に働く場所を選べる制度です(ABW: Activity Based Working)。偶発的な出会いや会話が生まれ、部門を超えたコミュニケーションのきっかけになります。自社オフィスだけでなく、コワーキングスペースをサテライト拠点として契約する企業も増えています。
関連記事:ABWについて徹底解説|フリーアドレスとの違いから導入メリット、成功のポイントまで
- 部署横断プロジェクト・タスクフォース: 特定の課題解決のために、各部署からメンバーを選出して期間限定のチームを組成します。共通の目標に向かって協業する経験は、部署間の相互理解を深める絶好の機会です。
- 社内FA(フリーエージェント)制度: 社員が自らの意思で希望する部署へ異動できる制度です。キャリアの自律性を促すと同時に、人材の流動性を高め、組織全体の活性化に繋がります。
- 部活動・サークル活動支援: 趣味の合う仲間が集まる部活動に対し、会社が活動費用の一部を補助する制度です。業務とは関係のない共通の話題で盛り上がることで、部署や役職を超えた強固な人間関係が育まれます。
- オフサイトミーティング: 普段の職場を離れ、リラックスできる環境で集中的に議論を行うミーティングです。非日常的な空間が、普段は出ないような大胆なアイデアや本音の対話を引き出します。
【落とし穴注意】施策が形骸化する3つの理由と成功の秘訣

せっかく時間とコストをかけて施策を導入しても、「いつの間にか誰も使わなくなった」「一時的に盛り上がっただけで終わった」という経験はありませんか?ここでは、多くの企業が陥りがちな失敗の理由と、そうならないための秘訣を解説します。
失敗理由1:目的と施策がズレている
「他社で流行っているから」という理由で新しいチャットツールを導入したものの、自社の課題が「部署間の物理的な断絶」だったため、結局使われずに終わってしまった…。これはよくある失敗例です。セクション2で解説したように、自社の課題を直視し、「何のためにやるのか」という目的を明確にすることが、すべての出発点です。
失敗理由2:現場への「丸投げ」になっている
経営層が「コミュニケーションを活性化せよ」と号令をかけるだけで、具体的な運用をすべて現場任せにしてしまうケースです。これでは、現場の負担が増えるだけで、施策は長続きしません。特に、1on1やメンター制度などは、実施する管理職や先輩社員自身がその意義を理解し、積極的に関わることが成功に不可欠です。導入時には丁寧な説明会を開いたり、管理職向けの研修を行ったりするサポート体制が欠かせません。
失敗理由3:「やりっぱなし」で効果を検証しない
施策を導入したことに満足してしまい、その後の効果を誰も検証しないケースも非常に多いです。施策が本当に機能しているのか、形骸化していないかを知るためには、定期的な効果測定が必要です。大掛かりな調査でなくても、「施策導入後、他部署の人と話す機会は増えましたか?」といった簡単なアンケート(パルスサーベイ)を定期的に実施するだけでも、多くの気づきが得られます。その結果をもとに、施策の改善を繰り返していくことが重要です。
成功の秘訣:小さく始めて、育てていく
では、どうすれば施策を成功に導けるのでしょうか。秘訣は、「スモールスタート」と「楽しさの演出」、そして「トップの率先垂範」です。
- スモールスタートで試す: 全社で一斉に始めるのではなく、まずは特定の部署や有志のメンバーで試してみましょう。そこで得られた成功体験や改善点を元に、少しずつ展開していくのが着実な方法です。
- 「楽しさ」や「メリット」を演出する: 例えば、サンクスカードを最も多く送った人を表彰したり、部活動の成果発表会を開いたりするなど、参加することが「楽しい」「得をする」と思えるような仕掛け作りが、施策を定着させる上で非常に効果的です。
- 経営層や管理職が率先して楽しむ: 特に効果的なのは、経営層や管理職が自ら新しいツールを使ってみせたり、イベントに積極的に参加したりする姿です。トップが楽しんでいる施策は、自然と組織全体に浸透していきます。
自社に合った施策を見つけるための比較一覧表

ご紹介した15の施策から自社に最適なものを選べるよう、各施策の特徴を一覧表にまとめました。 「目的」や「コスト感」を比較し、次の一手を見つけるための参考にしてください。
| 目的 | 施策名 | オンライン/オフライン | コスト感 | 主な対象 |
| 情報共有 | ビジネスチャット整備 | オンライン | 低 | 全社/チーム |
| 情報共有 | Web社内報・ブログ | オンライン | 低〜中 | 全社 |
| 情報共有 | 定例会議のアップデート | 両方 | 低 | チーム |
| 情報共有 | バーチャルオフィス | オンライン | 中 | チーム/全社 |
| 情報共有 | ナレッジ共有ツール | オンライン | 中 | 全社 |
| 信頼関係 | 1on1ミーティング | 両方 | 低 | 個人 |
| 信頼関係 | メンター制度 | 両方 | 低 | 個人 |
| 信頼関係 | サンクスカード等 | 両方 | 低〜中 | 全社 |
| 信頼関係 | オンラインランチ等 | オンライン | 中 | チーム/全社 |
| 信頼関係 | 社内イベント | オフライン | 中〜高 | 全社/チーム |
| 部門間連携 | フリーアドレス・ABW | オフライン | 中〜高 | 全社 |
| 部門間連携 | 部署横断プロジェクト | 両方 | 低 | チーム |
| 部門間連携 | 社内FA制度 | – | 低 | 個人/全社 |
| 部門間連携 | 部活動・サークル支援 | オフライン | 中 | 全社 |
| 部門間連携 | オフサイトミーティング | オフライン | 中〜高 | チーム |
まとめ
社内コミュニケーションの活性化は、一朝一夕に実現するものではありません。大切なのは、自社の課題と真摯に向き合い、目的に合った施策を、まずは一つでも試してみることです。この記事が、あなたの会社をより風通しの良い、活気ある組織へと変えるための、小さな一歩に繋がれば幸いです。
参照・引用元一覧
- 【HR総研】「社内コミュニケーション」に関する調査 | HR総研 – https://hr-souken.jp/research/40982/ – 国内企業における社内コミュニケーションの課題意識に関する大規模調査データ。
- 心理的安全性とは?チームの生産性を最大化するうえで意識すべきこと | GLOBIS知見録 – https://mba.globis.ac.jp/careernote/1448.html – Googleの研究でも知られる「心理的安全性」の概念と組織パフォーマンスへの影響に関する解説。
