COLUMNコラム

【オフィス移転の電話工事】担当者が知っておくべき手続き・費用・注意点

オフィス移転時の数あるタスクの中でも、特に頭を悩ませるのが電話回りの手続きではないでしょうか。この記事では、移転担当者の皆様が抱える電話に関する疑問を解消し、スムーズな移転を実現するための具体的な手順と知識を、分かりやすく解説します。

この記事で分かること

  • オフィス移転で今の電話番号を継続できるかどうかの「明確な条件」
  • 電話工事にかかる「費用の全内訳」と具体的な相場
  • 移転3ヶ月前から当日までの「失敗のリスクを減らすための段取り・スケジュール」
  • 電話工事そのものを不要にする選択肢

【最重要】移転先で今の電話番号は使える?継続の条件とは

オフィス移転で担当者が最初に直面する最大の関心事、それは「長年使ってきた会社の電話番号を、移転先でもそのまま使えるのか?」という点でしょう。結論から言うと、移転先によっては電話番号が変更になる可能性があります。まずは、その条件を正確に理解することから始めましょう。

電話番号が変わるケース・変わらないケース

電話番号が継続できるかどうかは、「NTTの収容局の管轄エリアをまたぐ移転かどうか」で決まります。

  • 変わらないケース: 同じ市区町村内など、現在のオフィスと新しいオフィスの住所が、同一のNTT収容局の管轄エリア内である場合。
  • 変わるケース: 市や区をまたぐ移転など、現在のオフィスと新しいオフィスの住所が、異なるNTT収容局の管轄エリアになる場合。

これは、固定電話の番号が「どの交換機に繋がっているか」で管理されているためです。住所が変わっても、同じ交換機の管轄内であれば番号は維持できますが、管轄外に出てしまうと、新しい管轄の交換機が管理する番号を新たに取得する必要があるのです。ただし、この原則は絶対ではなく、近年、この「変わるケース」に該当する場合でも番号を継続できる新しい選択肢が登場しています。

NTTの「収容局」が鍵

「収容局」という言葉に馴染みがない方も多いかもしれません。これは、各地域の電話回線を物理的に収容しているNTTの基地局のような施設を指します。電話番号は「市外局番-市内局番-加入者番号」で構成されていますが、この「市内局番」がどの収容局に属しているかを示しています。

例えば、同じ東京都内への移転であっても、千代田区から渋谷区へ移転する場合、収容局が変わるため電話番号も変更になります。一方で、同じ渋谷区内で数百メートル移転するだけであれば、収容局は変わらないため電話番号は維持できる、というわけです。

電話番号が引き継げるか確認する方法

自社の移転がどちらのケースに該当するのか、正確に確認することが不可欠です。最も確実な方法は、NTTに直接問い合わせることです。

その際、必ず確認したいのが、2025年1月からNTT東西で提供が開始された「双方向番号ポータビリティ」という新しい制度です。これは、従来は番号継続が不可能だった収容局をまたぐ移転であっても、一定の条件下(例:同一市区町村内での移転など)で電話番号を引き継げるようにする仕組みです。

NTT東日本※1・西日本※2の法人向け窓口に連絡し、「オフィスの移転を検討している」旨と「現在の住所」および「移転先の候補地の住所」を伝え、「双方向番号ポータビリティ制度を利用して、電話番号を継続できるか」を必ず確認しましょう。この確認は、移転計画のなるべく早い段階、できれば移転の2~3ヶ月前には済ませておきましょう。万が一、番号が変更になる場合は、顧客への周知や印刷物の変更など、多くの付随業務が発生するためです。

オフィス移転の電話工事にかかる費用内訳と相場

電話番号の継続可否と並行して、担当者が把握すべきなのが「費用」です。一体どれくらいのコストがかかるのか、事前に把握し予算を確保しておく必要があります。電話工事の費用は、大きく分けて「NTTに支払う費用」と「工事業者に支払う費用」の2つがあります。

NTTに支払う基本工事費

これは、電話回線の移転手続きそのものにかかる費用です。NTTに直接支払います。 工事内容によって変動しますが、一般的な目安としては以下の通りです。

  • 基本工事費: 2,000円~10,000円程度

これはあくまで回線自体の移設にかかる費用です。オフィス内の配線や電話機の設定は含まれない点に注意が必要です。詳細はNTTに見積もりを依頼して確認しましょう。

工事業者に支払う設置・設定・配線工事費

オフィス内でビジネスフォンを利用している場合、こちらの費用がメインとなります。主装置(PBX)や各電話機の移設、再設定、そして新オフィスでの配線工事など、作業は多岐にわたります。

  • 派遣費(作業員の出張費): 1人あたり10,000円~20,000円
  • 主装置(PBX)のデータ設定費: 20,000円~50,000円(規模による)
  • 配線工事費: 1mあたり数百円~数千円(露出配線か隠蔽配線かで変動)
  • 電話機の設置・設定費: 1台あたり3,000円~8,000円

例えば、10人規模のオフィスで主装置1台、電話機10台を移設する場合、合計で10万円~30万円程度が一つの目安となるでしょう。ただし、オフィスの広さや構造、配線の複雑さによって大きく変動するため、必ず複数の専門業者から相見積もりを取得することが重要です。

ビジネスフォンのリース契約も要確認

多くの企業では、ビジネスフォンをリース契約で導入しています。移転の際は、このリース会社への連絡も忘れてはなりません。リース物件であるビジネスフォンを移動させるには、リース会社の許可が必要です。また、契約内容によっては移設に関する規定が定められている場合もあります。移転が決まったら、速やかにリース契約書を確認し、担当者に連絡を入れましょう。

見積もり取得時のチェックポイント

工事業者から見積もりを取る際は、以下の点を確認しましょう。

  • 見積もりに含まれる作業範囲は明確か?(どこからどこまでやってくれるのか)
  • 追加料金が発生する可能性はあるか?(あるとすればどのような場合か)
  • 移転当日の作業スケジュールは現実的か?
  • 万が一のトラブル時のサポート体制は整っているか?

安さだけで業者を選ぶと、「当日になって追加費用を請求された」「設定がうまくいかず電話が使えない時間が長引いた」といったトラブルに繋がりかねません。実績とサポート体制を重視して、信頼できるパートナーを選びましょう。

【担当者必見】オフィス移転の電話移設工事の流れ

スムーズな電話移設を実現するには、事前の段取りが非常に重要です。移転日から逆算して、いつ、何をすべきか。ここでは、標準的なタイムラインに沿って具体的なタスクを解説します。

移転2~3ヶ月前:情報収集と基本方針の決定

この時期は、計画の土台を作る最も重要なフェーズです。

  • 電話番号の継続可否を確認: NTTに連絡し、新オフィスで現在の電話番号が使えるかを確認します。
  • 現状の把握: 現在の電話回線数、利用している電話機の台数、ビジネスフォンのリース契約の有無と内容を確認します。
  • 新オフィスの要件定義: 新オフィスで必要な電話機の台数、増設の有無、レイアウトに合わせた配置などを検討します。

この段階で番号が変わることが判明すれば、関係各所への通知準備を開始する必要があります。

移転1~2ヶ月前:業者選定と現地調査

計画を具体化していくフェーズです。

  • 工事業者の選定・相見積もり: 複数の電話工事業者に見積もりを依頼します。この時、新オフィスの図面を共有すると話がスムーズです。
  • 現地調査の実施: 選定した工事業者に新オフィスの現地調査を依頼します。配線ルートや電源の位置、主装置の設置場所などをプロの目で確認してもらい、正確な見積もりと工事計画を立ててもらいます。
  • リース会社への連絡: リース契約がある場合は、このタイミングで移設の連絡を正式に行います。

移転2~4週間前:各種手続きと最終調整

いよいよ手続きを本格化させます。

  • NTTへの移転申込: NTTの公式サイトまたは電話で、回線移転の正式な申し込みを行います。工事日の予約もこの時に行います。一般的に、移転希望日の約1ヶ月前~2週間前までには申し込む必要があります。
  • 工事業者との最終打ち合わせ: 決定した工事業者と、当日の作業スケジュール、作業員の人数、役割分担などを最終確認します。
  • 社内・社外への告知: 電話番号が変更になる場合はもちろん、変更がない場合でも、移転に伴い一時的に電話が不通になる時間帯などを関係者に告知します。

移転当日~移転後:回線切替と旧オフィスの撤去

いよいよ移転本番です。

  • 旧オフィスの回線撤去・機器搬出: 工事業者が旧オフィスの主装置や電話機を取り外し、新オフィスへ搬出します。
  • 新オフィスの回線開通・機器設置: NTTの工事担当者が新オフィスで回線開通工事を行います。それに合わせて、工事業者が主装置や電話機を設置し、配線・設定作業を進めます。
  • 開通テスト: 全ての設置・設定が完了したら、実際に内外線が問題なく使えるか、保留や転送機能は正常に動作するかなどをテストします。
  • 旧オフィスの原状回復: 必要に応じて、旧オフィスの配線撤去などの原状回復工事を行います。

ビジネスフォン導入・増設時の注意点

オフィス移転は、単なる場所の移動ではありません。これまで不便に感じていた通信環境を見直し、業務効率を向上させる絶好の機会でもあります。

必要な回線数(チャネル数)を正しく把握する

移転を機に人員が増える場合、同時に通話できる数、すなわち「チャネル数」が足りなくなる可能性があります。一般的な目安として、「従業員数 ÷ 3」程度のチャネル数が必要とされています。例えば、従業員30名のオフィスであれば、10チャネル(10人同時に通話可能)が一つの基準です。現状の利用状況を分析し、将来の事業拡大も見据えて適切なチャネル数を確保しましょう。

従来型PBXとクラウドPBXの違い

ビジネスフォンの心臓部である主装置(PBX)には、オフィス内に物理的な機器を設置する「従来型PBX」と、インターネット経由でサービスを利用する「クラウドPBX」があります。移転を機にPBXを見直す際は、以下の比較表を参考にしてください。

項目従来型PBXクラウドPBX
初期費用高い(機器購入費)低い(設定費のみ)
運用コスト専門家による保守・メンテナンス費月額サービス利用料
拡張性機器の追加・交換が必要で高コスト管理画面からプラン変更で容易に対応
リモートワーク対応限定的(別途高額な機器が必要)標準対応(PC・スマホが内線化可能)
BCP対策災害時に物理機器が破損すると不通にデータセンターで運用され災害に強い
外部連携限定的CRM/SFAなどとの連携が容易

従来型PBXは安定性が高い一方、導入コストが高く、設定変更やメンテナンスに専門業者が必要です。対してクラウドPBXは、物理的な機器が不要で初期コストを抑えられ、PCやスマートフォンをビジネスフォンとして利用できるため、場所を選ばない働き方に柔軟に対応できます。 移転を機に、働き方の多様化やコスト削減を目指すのであれば、クラウドPBXへの乗り換えは非常に有力な選択肢となります。

移転は通信インフラを見直すチャンス

「とりあえず今の環境をそのまま移せばいい」と考えてしまうと、将来の成長機会を逃してしまうかもしれません。移転という大きな節目だからこそ、数年先を見据えた通信インフラの設計が重要です。フリーアドレスの導入、リモートワークの推進など、新しい働き方に合わせた電話環境を構築することで、移転を真の成功へと導くことができます。

【最終手段】面倒な電話工事・配線管理を一切不要にする方法

ここまでお読みいただき、オフィス移転における電話工事がいかに複雑で、多くの調整とコストを要するかお分かりいただけたかと思います。

結論から言うと、その最終手段は、電話・インターネット環境が予め完備された「サービス付きオフィス(レンタルオフィスやコワーキングスペース)」を利用することです。

このセクションでは、なぜサービス付きオフィスが最良の解決策となり得るのか、また企業にもたらす価値について解説します。

オフィス移転で担当者が直面する「インフラの壁」

電話回線の手配、LAN配線、Wi-Fi環境の構築、そしてそれらの保守管理…。オフィスを機能させるためのインフラ整備は、専門知識がなければ非常に困難なタスクです。業者選定からスケジュール調整、当日の立ち会いまで、担当者には大きな負担がかかります。ビジネスのコア業務に集中すべき時間を、これらの煩雑な作業に奪われてしまうのは、企業にとって大きな損失です。さらに、業者選定や打ち合わせなどに費やされる担当者の時間は人件費、すなわち『隠れコスト』となり、企業にとって見過ごせない損失になり得ます。

解決策は「サービス付きオフィス」という選択

もし、これらのインフラに関する悩みから一切解放されるとしたらどうでしょうか。その答えが、電話・インターネット環境が予め完備された「レンタルオフィス」や「コワーキングスペース」を利用するという選択肢です。

入居したその日から、高速インターネットやビジネスフォンが利用できる環境。面倒な回線契約や工事業者とのやり取りは一切不要です。PCを持ち込むだけで、すぐに業務を開始できる環境が整っています。これにより、担当者の負担を劇的に軽減し、企業は本来集中すべきビジネスの立ち上げや成長に全リソースを投入できます。

fabbitが提供する価値

私たちfabbitが提供するレンタルオフィスやコワーキングスペースでは、快適なビジネスインフラを標準でご用意しています。

  • 工事不要: 面倒な電話・ネット工事は一切不要。すぐに入居し、事業をスタートできます。
  • コスト削減: インフラ導入にかかる初期費用や、月々の管理コストを大幅に削減できます。
  • 柔軟な拡張性: 事業の成長に合わせて、席数や個室のサイズを柔軟に変更可能です。

オフィス移転の目的が事業の成長と効率化であるならば、その手段は自社でオフィスを借りて一から構築するだけではありません。「サービスを借りる」という発想が、あなたのビジネスを次のステージへと加速させます。

まとめ

オフィス移転の電話工事は、早期の番号確認と計画的なスケジュール管理が成功の鍵です。しかし、そのプロセスが煩雑なことも事実。移転を機に、電話工事そのものを不要にするレンタルオフィスという選択肢も視野に入れ、貴社にとって最適なオフィス戦略をご検討ください。

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