スタートアップ育成5か年計画とは?起業家が知るべき3つの柱と活用できる支援策を分かりやすく解説

「起業したいけれど、何から始めればいいか分からない」「事業を始めたものの、資金繰りや人材確保に悩んでいる」。そんな思いを抱える起業家やその卵たちにとって、大きな追い風となる国家戦略が「スタートアップ育成5か年計画」です。本記事では、この計画がなぜ今必要なのか、そしてあなたが具体的にどのような支援を受けられるのか、分かりやすく解説します。
この記事で分かること
- スタートアップ育成5か年計画の全体像と目的
- 計画の核となる「3つの柱」の具体的な内容
- あなたの事業フェーズに合った支援策の見つけ方
- 補助金や融資を活用するための「はじめの一歩」と注意点
Contents
スタートアップ育成5か年計画とは

「スタートアップ育成5か年計画」※1とは、2022年11月に岸田政権が発表した、日本の経済成長等を目的とした国家戦略の一つです。その名の通り、2027年度までの5年間で、日本にスタートアップを生み、育てるための環境(エコシステム)を抜本的に強化することを目的としています。
なぜ今、国を挙げてスタートアップを支援するのでしょうか。それは、新しいアイデアやテクノロジーで社会課題を解決するスタートアップを、経済成長の新たな担い手として位置づけているためです。
この計画が掲げる最も野心的な目標は、「5年間でスタートアップへの投資額を10倍にする」というものです。現在の約8,000億円規模から、一気に10兆円規模へと拡大することを目指しています。これは、官民が連携してスタートアップを支援する方針を示すものです。
この壮大な目標を達成するため、計画では具体的なアクションプランが数多く盛り込まれています。次のセクションでは、その計画の骨格をなす「3つの柱」について詳しく見ていきましょう。
計画の核となる「3つの柱」

「スタートアップ育成5か年計画」は、大きく分けて3つの柱で構成されています。※2それぞれが「人材」「資金」「連携」という、スタートアップの成長に重要とされる要素に対応しています。
スタートアップ創出に向けた人材・ネットワークの構築
優れたアイデアがあっても、それを実現する「人」がいなければ事業は始まりません。この柱では、起業家精神を持つ人材を育て、挑戦を支えるネットワークを全国に広げることを目指します。
具体的には、小学生から大学生までを対象とした起業家教育の機会を増やしたり、海外のトップクラスの大学へ若者を派遣してグローバルな視野を養うプログラムを強化したりします。また、メンター(指導者・助言者)となる経験豊富な経営者と若手起業家を繋ぐ仕組みづくりも進められています。
これは、単に起業の数を増やすだけでなく、質の高いスタートアップが次々と生まれる土壌を育むための重要な取り組みです。
スタートアップのための資金供給の強化と出口戦略の多様化
スタートアップにとって最大の課題の一つが「資金」です。特に、まだ実績のない創業初期には、資金調達のハードルは非常に高くなります。
この柱では、そうした状況を打破するために、官民のファンドを連携させ、リスクを恐れずに挑戦するスタートアップへ資金が流れる仕組みを強化します。例えば、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)や大学ファンドなど、これまでスタートアップ投資に積極的でなかった大規模な資金を呼び込むことを目指しています。
さらに、個人投資家がスタートアップに投資しやすくなる「エンジェル税制」の拡充や、ストックオプション(従業員が自社の株式をあらかじめ決められた価格で購入できる権利)に関する税制の見直しも行われ、起業家だけでなく、従業員や支援者にとっても魅力的な環境を整えようとしています。
オープンイノベーションの推進
「オープンイノベーション」とは、自社だけでなく、他の企業や大学、研究機関などが持つ技術やアイデアを組み合わせることで、新しい価値を生み出す考え方です。
スタートアップが持つ革新的な技術やアイデアと、大企業が持つリソース(資金、販路、信用力など)が結びつくことで、単独では成し得ない大きな成長が期待できます。この柱では、大企業がスタートアップを買収(M&A)したり、共同で事業開発を行ったりすることを促進するための環境整備を進めます。
その代表的な施策が「オープンイノベーション促進税制」※3です。これは、大企業がスタートアップに出資した場合に、その投資額の一部を所得から控除できる制度で、大企業側のリスクを軽減し、スタートアップへの出資を後押しする狙いがあります。
【起業家必見】あなたが活用できる具体的な支援策

計画の全体像が見えてきたところで、ここからは特に起業準備層やアーリーステージの起業家にとって、直接的に活用できる可能性の高い支援策をいくつかピックアップしてご紹介します。
資金調達をサポートする補助金・助成金
事業を始めるには、自己資金だけでは足りないケースがほとんどです。国や地方自治体は、返済不要の「補助金」や「助成金」を数多く用意しています。※4
- 中小企業新事業進出促進補助金(新事業進出補助金): 既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出を支援する補助金です。
- ものづくり補助金: 革新的な製品やサービスの開発に必要な設備投資などを支援します。
- 小規模事業者持続化補助金: 販路開拓や生産性向上のための取り組みを支援する、比較的小規模な事業者が使いやすい補助金です。
これらの補助金は公募期間が限られているため、常に最新情報をチェックすることが重要です。中小企業庁をはじめとする公的機関のウェブサイトで情報※5を収集できます。
負担を軽減する税制優遇措置
税金の負担は、経営において大きなウェイトを占めます。スタートアップ向けの税制優遇を活用することで、手元に残る資金を増やし、事業の成長に再投資できます。
- エンジェル税制: 認定されたスタートアップに投資した個人投資家が、所得税の優遇を受けられる制度です。これにより、個人からの資金調達がしやすくなります。
- 研究開発税制: 研究開発にかかった費用の一部を法人税から控除できる制度です。技術系のスタートアップにとっては特に重要な制度と言えるでしょう。
信用を補完する融資制度
補助金だけでは足りない場合や、より大きな資金が必要な場合には、融資制度の活用を検討しましょう。
- 日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」: これから事業を始める方や、事業開始後おおむね7年以内の方を対象とした融資制度です。担保・無保証人で利用できる場合もあり、実績の少ないスタートアップにとって資金調達の選択肢の一つとなります。※6
- 制度融資: 地方自治体、金融機関、信用保証協会が連携して提供する融資です。自治体が利子の一部を負担してくれるなど、有利な条件で借り入れができる場合があります。
スタートアップの拠点ならfabbit

「スタートアップ育成5か年計画」が目指すエコシステムの中で、起業家がそのポテンシャルを最大限に発揮するためには、適切な「場」が不可欠です。事業に集中できる環境はもちろん、同じ志を持つ仲間や先輩経営者と出会えるコミュニティ、そしてビジネスに必要な信用、これらを提供するのが、fabbitの役割です。
fabbitでは、法人登記も可能なバーチャルオフィスから、すぐに事業を始められる家具付きのレンタルオフィス、そして多様なプロフェッショナルと交流できるコワーキングスペースまで、スタートアップのあらゆる成長ステージに対応したプランを用意しています。
特に、創業初期においては、コストを抑え、多様なスタートアップやプロフェッショナルが集まるfabbitの環境は、新たなビジネスのヒントや思わぬ協業のきっかけが生まれる可能性を秘めています。あなたのビジネスに最適な環境がfabbitにはあります。ぜひ一度、お近くの拠点へ見学にお越しください。
まとめ
「スタートアップ育成5か年計画」は、単なるスローガンではなく、日本の未来を賭けた具体的なアクションプランです。このチャンスを活かすためには、まず情報を集め、自社が活用できる制度を正しく理解することが第一歩です。本記事が、あなたの挑戦を後押しする一助となれば幸いです。
参照・引用元一覧
- スタートアップ育成5か年計画 | 内閣官房 – https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/su-portal/index.html – 政府の公式ポータルサイト。計画の全体像と最新情報が掲載されています。
- スタートアップ育成5か年計画のポイント | 日本政策金融公庫 – https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/434.pdf – 計画の要点をまとめた分かりやすい資料です。
- オープンイノベーション促進税制 | 経済産業省 – https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/open_innovation/open_innovation_zei.html – 税制優遇の詳細な要件や手続きについて確認できます。
- スタートアップ支援策 | 経済産業省 – https://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/startup/index.html – 経済産業省が所管するスタートアップ向けの各種支援策がまとめられています。
- ミラサポplus 補助金・助成金 中小企業支援サイト
https://mirasapo-plus.go.jp/ – 中小企業事業者・小規模事業者の皆様向けに、補助金等がまとめられています。 - 新規開業・スタートアップ支援資金 | 日本政策金融公庫 – https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/01_sinkikaigyou_m.html – 創業期の資金調達として代表的な融資制度の詳細です。
